ゴムボートバッシング
〜 スローバッシングのススメ 〜
■装備品選びのポイント |
この頁では現在ゴムボートの購入をお考えの方、若しくは手漕ゴムボートからのランクアップをお考えの方を対象として、ゴムボートの装備品にはどんなものがあるのか?各装備品選びのポイントは何なのか? をご説明してゆきます。とはいえ、各人のフィッシングスタイル・予算等により装備品選びのポイントには差が生じると思われますので、あくまで私の主観に基づくものとしてご了承ください。
ボート選びのポイント
現在、国内ではアキレス・ジョイクラフト・ポパイ・ship man・Zephyrboat等が釣り用としてのゴムボートを生産していますが、そのどれもが安心できるメーカーだと思いますので、これらの中から予算・フィッシングスタイル等によってベストな船体を選ばれると良いでしょう。その際、私が最も重要視すべきだと考えるポイントは搭乗人員数・素材・重量・補償制度・エレキマウント・キールの有無です。
個別にご説明していきましょう。
一般的にカタログに記載されている搭乗人員はあくまで空身で乗れる人員ですので注意が必要です。釣り人がタックルも含めて搭乗し、更に釣りをするとなると、カタログ4人乗りなら実質は2人乗りですし、カタログ2人乗りなら実質1人乗りとなります。
素材に関しては、耐久性重視ならばハイパロン等の高品位素材、コストパフォーマンス重視なら普及型素材を選ぶ事になりましょうが、個人的には予算の許す限り各メーカーの高品位素材を選ばれるのが得策かと思います。実際、私は現在もアキレスのハイパロン(高品位)とエコストロン(中品位)の両艇を愛用していますが、生地の擦れに対する強さ、接着面のはがれやすさ、船体の安定感にはかなりの差が感じられます。長期にわたっての使用を考えれば高品位を選ばれても決して損は無いと思います。
重量は全く無視できない要素です。ゴムボート釣行には普通、煩わしい水際までの運搬作業がともないます。この点を考慮せずにやみくもに大きいマリンボートや、エンジン搭載型のボートを選んでしまうと、水際までに何往復もしなければならなくなり、結果、疲れ果てて釣りどころではなくなってしまいます。ゴムボートは軽いというイメージがありますが、決して軽くはありません。1人〜2人での運搬を想定するならば、25キロまでが妥当なところではないでしょうか。
普段の釣行で生じる針穴程度の傷や、接合部の剥がれ等は、付属の修理キットで簡単に直ってしまうものですが、大きく生地を裂いてしまった場合にはメーカー修理が必要となります。その際、よりアフターケアの万全なメーカーが望まれるのですが、この点においては費用・スピード共にアキレス社が優れているようです。
↓アキレスHP無料修理制度の頁
http://www.achilles-rf.com/boat/advantage/
加筆
エレキマウントの有無もボートを選択する上での重要なポイントとなります。あらかじめボートにエレキマウントが付属していると、後からエレキモーターを導入する際、専用マウントを購入する必要もなくなります。ゴムボートでバスフィッシングをしていると、どうしてもエレキモーターの必要に駆られますので、あらかじめマウント付属のボートを購入するのが得策でしょう。キールに関しても同様です。
2人乗り想定で、筆者が湖沼でのバスフィッシングに最適だと考える各社のゴムボート
(画像クリックで詳細ページへ)
【現状最高クラス】
前後にエレキマウントを有し、船底にキールを持つ、現状最高クラスのボート。素材は硬質ゴムで出来ており、耐久性も非常に高いので、2馬力エンジンまでの搭載が可能。すでに至れり尽くせりな内容なので、ノーマル状態のままでも快適な釣りが楽しめる。
シップマン2.8
ジョイクラフトLBB-295
ポパイBEE-X
(現在管理人達が使用しているのが、このボート。初出陣の様子や走行動画はコチラ)
ポパイBE285M
Zephyrboat ZE275
アキレスLF-280
【廉価クラス】
船体装備は充実していないものの、安さが魅力。改造ボートのベースとしては最適。
アキレスEC4-642
アキレスPV4−542
ジョイクラフトTR4-G4
エレキモーター選びのポイント
ゴムボートの欠点である機動力の無さを補い、活動範囲を大幅に広げてくれるのがエレキモーターですが、ゴムボートへの装備となると、ハンドコンエレキを使用するのが一般的となります。その際、最も頭を悩ませるのが自分のボートにはどれくらいの馬力が必要か?という事になると思いますが、現実的に見て選択肢はそう多くありません。ミンコタ社・モーターガイド社のどちらかのハンドエレキで、且つパワーが30ポンド〜42ポンド程度の何れかを選択する事になるでしょう。
その中でどれを選ぶかは「何人で乗るのか?」を選択基準に考えれば良いと思います。一般的には、1人で乗るなら30〜36ポンドで十分ですし、2人乗りなら36〜42ポンドというところでしょう。しかし42ポンドともなると重量的にはかなり重たくなってしまいますし、シャフト長も長くなるので操船しづらくなる弊害も出てきます。
それから忘れてはいけないのが、エレキのパワーが増すほどバッテリーの消耗は激しくなるという事です。少ないパワーでバッテリーを長持ちさせるか、大きいパワーで一気に目的地まで行ってしまうか?両方の考え方がありますが、ゴムボート釣りの特性を鑑みると、個人的にはエレキパワーは30か36ポンドがベストだと思います。
後日加筆
近年、ゴムボートによるバスフィッシングが盛んになるにつれ、ついにはモーターガイド社より、ゴムボート専用フットエレキ(エレキ-X)なるのものが発売されるようになりました。これまでゴムボートにエレキといえば、ハンドエレキが一般的で、バウデッキの設置・シャフト長の変更等が必要なフットエレキは、それなりに達者な人達だけが使用するに止まっていたのですが、このゴムボート専用フットエレキの登場で、誰でも改造無く簡単にフットエレキが楽しめるようになったのです。(ボートにマウントは必要)
つまりは、これまでハンドエレキで常に不満に感じていた、一点にステイできない、流しながらの釣りが出来ない、巻物が出来ないといった不満も、このエレキがあれば一気に解消される事になるのです。ゴムボートのエレキ選択には、これまでいくつかの選択肢がありましたが、現状ではこの最新フットエレキを選択するのが個人的には最善だと思えます。
ゴムボートに最適なフットエレキ
モーターガイド エレキ-X
デッキ不要で取り付けが可能となったモデル。パワー的にもゴムボートにベストマッチ。
モーターガイド ビルダンスモデル
シャフト長が短縮されているので、ゴムボートに最適。 しかし取り付けには別途デッキの必要あり。
ゴムボートに最適なハンドエレキ
ミンコタ ENDURA30
ミンコタ ENDURA36
ミンコタ ENDURA46
モーターガイドFW36HT
バッテリー選びのポイント
エレキモーターが決まれば、それに伴いバッテリーとそれを充電する為のバッテリーチャージャーが必要となります。エレキ同様、バッテリーに関しても選択肢は少なくて、私の知る限りサイズ的にみても容量的にみても、ゴムボート用としてはデルコのボイジャー105A、80Aかシーキングの90A-XY、Xに限定されるようです。(最近、ポパイ各店もバッテリーの取り扱いを始めたようです)
それぞれのバッテリーの特徴としては、最も一般的なのが105Aで、パワー・スタミナ共にベスト。次に人気なのが最近登場したシーキングの90A−XY(Xは旧タイプ)ですが、これについてはよりパワーの必要なバスボーター、アルミボーターの方には概ね不評のようです。しかし105Aと比べ約8キロも軽く運搬時の負担が少ない為、私は好んでこちらを使用しています。(特にパワー・スタミナに不足は感じてません) 尚、それぞれのバッテリーには専用のバッテリーチャージャーが設定されています。設定外のチャージャーを使うと充電効率が悪くなってしまう事もあるので、購入の際は注意が必要です。
ボイジャー105A
ボイジャー80A
木坂バスチャージャ10A
シーキング90A−XY
シーキング用チャージャー
マウント選びのポイント
エレキが決定すれば、次は取り付ける為のマウントです。ボートによっては最初からマウントが付いているものもありますが、そうでない場合は自作するか既製品を購入する事になります。構造的には決して難しいものではありませんので、コスト的にも是非自作したいところですが、その際には強度と固定方法には十分注意すべきです。エレキ本体だけでもかなりの重量があるうえ、マウントには推進抵抗が想像以上に大きくかかります。固定が甘いと脱落事故にもなりかねません。市販品を購入する場合にもこの点がポイントとなってくるでしょう。(→マウント自作例は次ページウラ技編をご参照ください)
タナハシエレキマウントセット
タナハシエレキマウントフルセット
ZephyrBoatエレキマウントセット
ジョイクラフトエレキマウント
魚探選びのポイント
オカッパリを卒業し、ボートで自由に湖上を移動できる環境に慣れてくると、次はどうしても魚探が欲しくなってきます。バスボートやアルミボートでは定番品といってもいい魚探ですが、勿論ゴムボートにだって取り付ける事は可能です。ただ、ゴムボートにはバスボートやアルミボートのように固定するデッキがありませんので、取り付けには一工夫が必要です。といっても、要は魚探をボートにしっかりと固定し、振動子と呼ばれるセンサー部を水中へ垂直に垂らせばそれで良いのですが、もし貴方がHONDEX社のHE−510II、520、HE-6100魚探を選ばれたのなら、一番手っ取り早いのはアキレス社から販売されているギョタッチメントを使用することでしょう。これがあればデッキの無いゴムボートでも簡単に魚探が取り付けられます。また、アキレス社以外のボートにも同社より別売の竿かけモールドを使用する事により取り付け可能となります。(→自作加工での魚探取り付け例は次頁のウラ技編をご参照ください)
ギョタッチメント
Zデプスキャッチャー
ポパイゴムボート用ベーシックセット
次に魚探そのものはどれを選べば良いのか?ですが、残念ながら私は魚探の詳しい知識を持ち合わせておりません。恐らく高価なものになればなるほど良いのでしょう。しかしながら、一般的にゴムボート派の方に人気がある商品は、HONDEX社のHE−520、HE−510、HE−6100やバンダイのワンダースワン魚探のようです。これらは何れも乾電池のみで使用できるポータブルタイプですので、ゴムボートユーザーには好都合なのでしょう。(通常魚探はバッテリーから電力をとります。)(→ワンダースワン魚探のプレビューはukiten号紹介の頁をご参照ください。)
HONDEX HE−6100
ワンダースワン魚探
空気入れ選びのポイント
普通、ゴムボートには付属の足踏みポンプが付いており、これを使っていても何ら問題は無いのですが、市販のダブルアクションポンプ(ノズル先の改造必要)やシガレット対応の電動ポンプを使用すれば、作業はうんと短くて楽になりますし、電動ポンプの場合はその間、タックルの準備もできます。ただ注意しなければならないのは電動ポンプの場合、これだけでは完全にエアーを充填しきれませんので、最後のつめにはフットポンプ等を使って人力で注入する必要があります。(→電動ポンプのプレビューはukiten号紹介の頁をご参照ください)
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【ボート付属ポンプ】 4人乗りボートを膨らますまでの時間→約20分 疲労度→大 |
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【市販のダブルアクションポンプ】 →約10分 疲労度→大 |
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【市販のシガレット電動ポンプ】 →約5分 疲労度→無し |
ボートドーリー
ゴムボート釣行の何が辛いかといって、駐車場⇔水際間での往復運搬作業(ボート・バッテリー・エレキ・タックル等)ほど辛いものは他にありません。一日の釣行でどっぷりと疲れ切った後の撤収作業などは、うんざりするほど辛いものです。しかし、そんな宿命ともいえる重労働を時間的にも体力的にも劇的に軽減してくれるアイテムが、最近アキレス社から発売になったボートドーリーです。(廃盤になったようです) ホームレイクでのスロープが遠い場合や1人での釣行が多い場合で、且つ、お使いの※スロープが凸凹していないなら、導入を検討してみるのも良いでしょう。これまではゴムボートのドーリーといえば自作するより他なかったのですから、これで幾分でも作業が楽になればしめたものです。(※残念ながらこの商品、空身状態でもコジャリ程度の路面に大苦戦してしまうようです。完全に舗装された路面専用と考えた方か良いでしょう)
その点、最近新しく発売された、ZephyrBoatのドーリーは、ツボを押さえているようですが、取り付け方法が限られるところが痛いところ。
アキレスボートドーリー
(ario艇)
ZephyrBoat Zモーターブランケットドーリー
アンカー
基本編でも述べたように、波風に極端に弱いのがゴムボートです。たとえどんなアンカーを打ったとしても、強風時にはズルズルと流されてしまうのがゴムボートの性なのですが、とは言っても、やはりゴムボートにアンカーは必要です。ゴムボートのアンカーにはいくつかタイプがありますので、ここでそれぞれの特徴を記しておきます。またロープは水深の3倍の長さが必要とされています。(ロープガイド自作例は次ページウラ技編にてご紹介しています)
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マッシュルームアンカー 金属にプラスチックをコーティングてある為、ゴムボートを痛めない。 引き上げには力が要る。 |
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ダウンフォースアンカー 低質が砂・泥に最適。 根がかりしやすい。 引き上げは楽。 |
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フォールディングアンカー たたむと棒状でコンパクトになる。 引き上げは楽。 |
また、ボートによっては予めアンカーロープガイドが付いている物もありますので、ボート購入の際にはこの点も考慮されると良いでしょう。これによりボートにロープが擦れるのを防ぐ事が出来ます。
イス
ゴムボートには普通、腰掛け用のベンチがついており、そこに座って釣りをするのですが、このベンチが思いのほか硬く出来ており、人によっては途中でお尻が痛くなってしまったり、エレキ操作の際に腰を痛めてしまったりするのです。もしそういった症状が出た場合はクッションを持参するか、ベンチは取り払い、市販の折りたたみイスを使用すれば良いでしょう。キャスティングも楽になりますし、足元のスペースも活用できます。また、マウント選びのポイントでご紹介したような、エレキマウントとイスがセットになった商品も発売されています。
ロッドホルダー
ちょっと気合を入れてゴムボート釣行をしようと思う時、ボート内には様々な物を持ち込まなければなりません。ロッド数本、タックルボックス、アンカー、エレキ、バッテリー、魚探、雨具、防寒着、弁当
etc・・。出船時にはきちんと整理してボート内に置いておいた筈が、釣りに夢中になるにつれ、これらはいつのまにかグチャグチャに・・。ルアーは散乱してロッドは絡まり足の踏み場も無いくらい・・。これではとても釣りどころじゃありません。そういった時、一番欲しくなるのがロッドホルダーです。ゴムボート釣りにおいて、無くても済むけどあれば便利な代表アイテムがロッドホルダーと言えるでしょう。(→ロッドホルダーの自作例は次頁ウラ技編にてご紹介しています)
(まきまき艇)
タナハシゴムボート用ロッドホルダー