ゴムボートバッシング
〜 スローバッシングのススメ 〜


潤さんの快適改造テクニック

今回ご紹介する改造ボートは、熊本県にお住まいの潤さんよりご投稿いただいた、「おとんクラフト」 なる改造ゴムボート。 このボート、その名の通り、潤さんのお父上が彼の要望に応じるかたちで作られるので、「おとんクラフト」と命名されるのだが、その出来栄えたるや、これが素人の作? と唸らせる程素に素晴らしい。 各所に施された快適改造の数々は、どれもゴムボユーザーの視点に立ったうえ熟考され、余すところ無く潤さんの意向が反映されたものとなっている。 今回もまた、HTML形式にて詳細なコメント&画像を頂けたので、それをそのまま転載させていただく事にする。 親子愛に育まれた愛情たっぷりの改造ボートを、とくとご覧頂きたい。(※は管理人コメント)

尚、潤さんに於かれては、「BlueHawkBass」という、御自身のバスサイトをお持ちだ。こちらが当該ボートの紹介頁になるが、サイトでは熊本発のバス情報やオフ会活動等も活発に発信されておられるので、是非一度訪れて頂きたい。





BlueHawkBassゴムボート おとんクラフト仕様

皆様のアイデアを僕なりによりよく考え、父にプラスでアイデアを出してもらって具現化したのがこの船。 僕のサイトで、ゲストを乗せたりオフ会やったりと活躍してもらっています。 かなりいいボートになってると思います。

仕様は
・エレキ-X
・ポパイ メカニックバッテリー105A
・フラットデッキ
・ロッドホルダー
・フロント トランサムマウント
・フロント トランサムマウントストッパー
・ラダー
・パワードーム
・魚探ベース
・ラバーネット
がこのボートのアイテムとなっています。



フラットデッキ
コンパネで作ったんですが、まだ表にカーペットを張っていません。
雨だと滑るとのことなので、雨の試合のときのことも考えカーペットを張ります 。





このように折りたたみも可能♪ これはボートのフロントがあがっている為に折り目をつけたのですが、たためる ようになりかなりグッド。(※ ボートのカーブに合わせてデッキを加工するという技術は、これまでありそうで無かったのではないだろうか? 確かにフィット感が向上し、何かと都合が良さそうである。 ゴムボマンにとって最大懸案である運搬作業という点からも、コンパクトになるのは有難い。)





皆様のアイデアではつっかえるパーツを使っていましたが、父のアイデアにより 補強材を下につけることによって、たわみがなくなり壊れる心配もなくなりまし た。人が二人乗ってもたわみません。





左の穴はバッテリーへの配線を通す穴で、四角い穴はボートについているベース をここに差し込むことによりズレがなくなりました。 (※ボートについているベースとは、竿賭けモールドの事。もはやゴムボ改造にはお約束のパーツ。)





そしてこのオールをつける場所に刺さってる棒は、どうしても人が前に立つと後 ろが浮いてしまう。 ということで、これを無くすために上から押さえる棒をつけてみました。 これで浮き上がる心配がなくなりました。 フラットデッキにして思ったことは、

・キャストがしやすい(ピッチング、フリップキャスト、スパイラルキャスト等 )
・今までのキャストもよりしやすい
・サイトがしやすい
・乗り降りが楽
・ランディングが楽
思った以上に色々なことがよくなりました。

(※ 私のように市販のバス用ゴムボートをそのまま使っている者にとって一番羨ましいのが、このフラットデッキ。 なぜかこれほどメーカー製品が出揃う今となっても、フラットデッキに対応したモデルは一つも発売されてない。 フラットデッキをゴムボートで楽しもうとする時、改造するより手が無いというのが現状なのだ。)





そして、これがロッドホルダー。5本搭載可能。





この最大の利点は、スライドするということ。これにより、乗り降りするときにも手前に引っ込めればロッドホルダーをつけて いる左側からも降りられます。





ここにグリップエンドが乗ります。このU字はS管をぶった切って溶接いたしました。この下のスライドは、家具などに使われているパーツらしいです。





そしてこれが、ベリー辺りが乗る側。スポンジで傷がつかないようにしてあります。そして、グリップ側、ベリー側の更なる利点は取り外し可能ということ。





このようになります。 取り付けも簡単。グリップ側ははめ込みスライドするだけ、ベリー側はねじを回 転させるだけです。 これでスライドさせたとき、ロッドが曲がってしまうんじゃないかとお思いの方 もいらっしゃるとおもいます。 しかし、ベリー側のホルダーは回転してくれるのでそれでロッドはいつもまっす ぐなままです♪
(※ 必要は発明の母というが、ホルダー改造もここに極まれリ! というところだろうか。 これほど個人の要望に応じたホルダーは、もはや市販品ではありえない。 これも全て、父君の愛がなせる業だろう。)




そして、このフラットデッキにもう一つついているのがこれ。
ここに魚探をつけます。




このマウントは…




このように曲がったり、ひねったり出来る優れもの。 材木店に勤めている父が、廃材を拾ってきた中にあったそうです。我が父ながら、凄いアイデア。
(※ 何かと狭いゴムボートの場合、後ろに乗った者は魚探が見られないのが常だが、これだけ角度を弄れるなると、後部の者も画面を見られるかも?)





そして、フロントマウント。
緑色のカーペットを張っています(笑)
このマウントは、付属のスライド式の座る板をぶった切って作りました。
(※ 確かにこの質感は付属座席のそれ!(笑)。 まさか座席もこんな姿になってしまうとは思ってもいなかっただろうが、もともとがとても頑丈な座席なので、強度的には申し分なし。これは良いアイディアだと感心してしまった。)





そして、紐で結ぶタイプの座る板を固定(写真左)と、スライドさせる板を固定 (写真右)を取り寄せてボンドで貼り付け完成。ここで跳ね上がりと落ちるのを防止しています。そしてそして、この写真左の画像をいちいち紐で通すのは面倒くさい。ということでクイックホルダーを作りました。
(※ 写真のゴムパーツが取り寄せ可だとは、これまで知らなかった。 うまくやれば潤さんのように、エレキXの装着も出来るようだし、これは古いタイプ(マウントの無い)のボートを持っている方には朗報だろう。)





このように、ブラインドリベットでとめ具を作り…




このように引っ掛けて戻すパーツで完全固定。
このマウントを持って運んでも、ズレたり取れたりは一度もありません。
付けるのも外すのも物凄くクイックです。




そして、ラダー。一般的なラダーより少し大きめに作ってみました。 皆さんのように乗り上げた時などに跳ね上がるような機能はないですが、注意す ればいいだけなのでめんどくさくて機能をつけませんでした(爆)





しかしこの、ネジで高さ調節可能。 
ズレ落ちないように、シャフトの上には引っかかるT字のバーを差し込んでありま す。




このように筒状なので、ネジで高さ調節が出来ます。





そして、最後はパワードーム。
これも、少しだけ大きく作ってあります。
シャフトに取り付けっぱなしではなく、簡単に取り外せるようにしてあります。




ネジを二タイプ作り、ネジで固定。





そして、ずれない様に中のラバーにカーペットをつけ完全にズレを防止。
これも溶接がメインで作ったラダーです。


こんな感じで、僕の船は熊本では唯一とも言えるゴムボートのフラットデッキゴムボートとなりました。皆様のアイデアを使わせていただいたことをこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。


おとんクラフト新作
オフセットペダル化


僕はキャスティングシートを使わないんです。場所が狭くなったり、ファイトで邪魔になったり。 なので、たちっぱなしになることが多いんですが、その疲れを軽減させるためにバ スボートなどでは行われている、エレキのペダルの部分のデッキをオフセットさ せることを考案。 おとんクラフトの技術により、着脱可能なオフセットデッキとなりました。





前から見た図。
ほぼデッキと均一化されているのがわかるでしょうか。





このように大きく切って、上のスリットにデッキの引っ掛け部分を引っ掛け、サ イドの凸凹に合わせてセッティングという形になります。





オフセットデッキ本体はこちら。
写真左上の曲がってる部分がスリットに入ります。





そして、このように上から見た図。 金網で軽量化をはかり、ペダルを固定するのはロッドホルダーについているゴム のやつで抑えるとピッタリフィットで動かなくなります。 そして、デッキをあれだけ大きくカットすると強度がどうなのか。 と思ったんですが…





写真のワイヤーのところにある白いバー。 あれを通すことにより強度が増しました。 ペダルの高さも下に硬いスポンジを敷くことにより、若干変更可能。 収納も、持ち運びも便利なオフセットデッキとなりました。


※と、今回御紹介した改造も、やはり期待を裏切らぬ素晴らしい出来だった。 おとんクラフトのレベルの高さを、今更ながらに実感させられた訳だが、以前にも書いたとおり、ゴムボートのフラットデッキ化は、未だ改造派だけに許された技術。 その中でも潤さんは、おとん殿の無償の協力のもと、ペダルのオフセット化という、難題までクリアされてしまった。 二人三脚のゴンボ改造は、この先どこまで続くのだろう? 熊本のゴンボ親子鷹から目が離せない。


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