ゴムボートバッシング
〜 スローバッシングのススメ 〜

黒幕さんの 快適改造テクニック


今回ご投稿いただいた黒幕さんのゴムボート画像には、フルフラットデッキのものと、セパレートデッキのもの、2タイプが混在していた。恐らくどちらかのボートが初期型で、そのパーツを部分的に流用し、後期型へと発展されたのだと思われるが、両方のボート画像から特に強く感じられたのは、黒幕さんの「デッキ高」に対するこだわり。ご存知のようにバス釣りにおいて、デッキが高いという事は何かと有利なものだが、この点を実現すべく、いかに黒幕さんが試行錯誤努力されているかをご覧いただきたい。



まずフルフラットデッキの方の全体的な構成から説明すると、アキレスの4人乗りボートをベースにフルフラットデッキ化、そしてそこへ、フットコンエレキ・キャスティングシート・魚探・後部座席・ラダーという構成になっている。これだけでも、一見しただけで何の不足も無い、ハイレベルなフルスペック改造ゴムボートであることがうかがえる。



つぎにこれは角度を変えての一枚だが、ボート前部に取り付けられた魚探に注目していただきたい。通常、バスボートを筆頭に、魚探といえば足元に直おきするのが基本なのだが、黒幕さんの場合、ポールを使用して随分高い位置にセットされている。これなら身をかがめて魚探を覗き込む必要も無くなるだろうし、いかにも快適そうだ。




一方、ラダーの仕組みはこうなっている。九の字型に加工した木製ステーを底板よりボルトオンし、その曲がっている部分をボートチューブへ被せる仕組み。ラダー本体にはアルミの市販品を使用されているようだが、こちらは蝶ネジによる角度調節が可能なようで、写真はチルトアップした状態となっている。木製ラダー裏面にチラッと見える、擦れ避けの銀マットも嬉しい。 なおこの写真には写ってないが、二人乗船時、ラダー本体には取り外し可能な後部座席シートが載る事にもなる。



こちらはエレキシャフトに取り付けられたパワードームとセンサー取り付けカバーの画像。どちらも自作によるものだろうか?何れにせよラダーとの併用で、ボートの直進性が大きく向上している事は間違いない。傷だらけのモーター部も幾多の激戦を物語っているようだ。






そしてこちらはもう一方の、セパレートデッキタイプのゴムボート。二人乗りを前提に、フットエレキ化されているのは前述のものと同じだが、こちらは前後にデッキを2分割しての構造。そのメリットとしては、デッキ下の収納スペースが増える点と、デッキ高が更に高くなる事などが挙げられるだろうか。あるいは春のサイトフィッシングの時期などには、目線も高くなり下からのキャストもし易い、こちらのボートを選ばれるのかもしれない。心配な安定性の方も、端ぎりぎりに立っても抜群の安定性だそうで、不安はまったく無いなのだそうだ。




同ボートの内部の様子。一見して目に付くのは、そのロッドスタンドの形状。黒幕さんいわく、足場をすっきりさせたい為、あえて立てて保管できるようにされたとの事。恐らく主に下からのキャスト(ピッチングやフィリッピング)に備えての改造なのだろうが、このあたりのフィッシングスタイルに合わせた臨機応変な工夫などは、いかにも改造派の面目躍如たるところ。市販ボートをそのまま使用し、いつもピッチングのし辛さにイライラしている私などからすれば、非常にそそられるポイントなのだ。 また、ロッドを立てることによりオールが生かせる事も大きなメリットになるだろう。ゴムボートユーザーにはお分かりだと思うが、ハイスペック改造を施していたとしても、色々な場面でオールの必要性は必ず出てくるものなのだ。




貴重なパーツの画像も頂けたのでご紹介しておこう。左は前部エレキマウントの画像。ボート底に固定用となる底板(灰色部分)を張り、そこへ市販のタナハシエレキマウントを装着する仕組みとなっている。セパレートボートの場合、そこへ右のハイデッキが上乗せされるのだと思われるが、ハイデッキの中央に見える四角い部分は、なんと収納&バッテリー配線用のハッチ。普段ゴムボートに乗られる方はお分かりだと思うが、この僅かでも雨に濡れないスペースがあるというのは、非常にありがたいもの。携帯やデジカメ、弁当などが雨でオシャカになる心配もいらないのだ。




7/4更新!

黒幕さんより、幾つか新たなアイディアをいただいたのでご紹介。 まずは水温機能のついてないワンダースワン魚探に、水温機能をもたせてしまおう、というもの。下の写真は市販の車用「電圧/内・外気温度計」なのだが、黒幕さんは実現の為、これに目を付けられた。




これの具体的な利用方法はこう。 まずは本体カープラグ部分をワニ口プラグに変更し、それをボートのバッテリー部へ接続、次に通常外気温を測るセンサーを水中に投入。 なんとこれだけでバッテリー残量と水温の両方がチェックできるようになるらしい。一応黒幕さんが使用されている商品へのリンクも張っておくので、ワンダースワンユーザーの方、水温機能が付いていない魚探をお持ちの方などは、ぜひ参考にされてみてはどうだろか? 右写真にあるように、ワンダースワン魚探には、あつらえた様にピッタリなサイズになるのもよい。



   


それから魚探とセンサーを載せる台座は、写真の通りの自作品。今回新たにより詳細な画像をいただけたのだが、これがなんとアルミ材によるフルスクラッチ品だった! こうなるともう、私の説明能力も遥かに超えてしまっているのだが、この技術、分かる人には分かるのだろう。おいそれとは真似できそうに無い技術である。 尚、ポール部には「浜投げ釣り用の収縮ロッド立て」を使用されたそうだ。



この写真は、ハイデッキの浮き上がり防止の為の一工夫。デッキ部を底板より、ロープ+フックで固定されている。シート上には人の重さも加わるので、もはやこれで万が一にも浮き上がる心配は無いだろう。


下の写真は実際に黒幕さん(?)がボートべりに立たれている画像だが、ご覧の通りの安定度。前後左右、どの位置からのキャスティングにも問題はなさそうだ。




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