ゴムボートバッシング
〜 スローバッシングのススメ 〜

「Sさん」の快適改造テクニック

今回御紹介するゴムボートは、「Sさん」所有のS号。 御自身のセダンのトランクにすっぽり収まる、、という事を大前提に、このたび改造に着手されたそうだが、特に注目していただきたいのは、そのドーリー部分。 実用レベルに達するのが非常に難しく、これまで多のゴンボマンを悩ませてきたドーリー儀装だが、一体Sさんはどのようにこの難題に立ち向かわれたのだろう? 例によっていつものように、頂いた画像とコメントをもとに御紹介いたします。




まずはボートの全景。 ベースとなる船はアキレスの4人乗り艇。 これに自作底板と自作座椅子で安定を強化し、そこへハンドエレキ(HAIBO ET-34s-28)、バッテリー(G&Yu 105A)、スタビライザー兼ドーリー、パワードーム&ラダー、という艤装を施されている。 セダン(インプレッサ)のトランクに積載可能という事情より、コンパクトさを追求されたようだが、とくに装備的な不足は感じられない。



次に各部の仕様を見て行く事にしよう。 まずは基礎となる底板だが、これはコンパネにパンチカーペットを張る事により作成された。 これにより立っての釣りも可能になったそうだ。 とくにベース艇の底板が薄い場合には、こういった基礎の強化は、必須なものとなる。(パンチカーペットをgoogleで画像検索

次にエレキマウントだが、こちらはエレキ本体の到着を待たずに自作されたという事で、今回の物はあくまで暫定版。 とりあえず底板とゴムボの間に挟みこむような仕様で作り、チューブとマウント間をスライドで調整できるようにされたそうだが、現状、鉄製の3分割式な為、重く、またセットアップに時間がかかるという事で、正規マウントへの移行を考え中だそうだ。

それからバッテリーの位置については、Sさんの場合、船首の最先端に置かれている。そこからアーシングケーブルなる延長コードでエレキと接続されるのだが、このアーシングケーブルなるもの、ホームセンターなどにも売っており、パワーケーブル+金メッキ端子が付属して800円と、とてもお買い得で使い勝手の良い商品らしい。(アーシングケーブルをgoogleで画像検索




そしていよいよ核心となるドーリーのご紹介だが、まずは上の写真を見ていただきたい。 これはSさんがいつも通われている池のスロープだが、通常、リザーバーでゴムボートを進水させるとなると、このようなスロープでの往復運搬作業が不可欠となる。 沢山の重装備を抱えての行ったり来たりは想像以上に辛く、時に盛夏などは、それだけで疲労困憊してしまうものだが、それに対しSさんが導き出した答えがこれ。 



Sさん式、ゴムボートドーリー兼ラダーだ。 ベースにされたのは合板だろうか? 取り付けには竿掛けモールドを使用し、ネジで固定されてるらしい。 タイヤは800円のゴム製タイヤ(100mm)を使用し、もし輸送時の負担を減らしたい場合などには、これを中空のもっと大きなものに変えれば良いらしい。 写真に見える太いパイプは、ドーリーの横への広がりを抑える突っ張り棒。 これがないと重量が重くなるにつれて左右の広がりが増え、カーブではバランスを崩したりするそうだ。 仕組み的には、15Aサイズのパイプの中にナットを溶接し、ドーリーの左右からボルトで挟む仕組みとなる。 取り付け位置はなるべく竿掛けモールドから遠くに設定されたそうで、このあたりのセッティングの妙はボートにより様々で、微妙かつ繊細な調整が必要なのだろう。



構造の分り易い画像がこちらだ。 本体の大きさ・形状、タイヤの位置、突っ張り棒の位置など、今後ドーリーの艤装にチャレンジされる方は、大いに参考になるだろう。 ドーリー最大のツボともいえる、積載重量に対する強度、悪路に対しての走破性も十分考慮された画期的なドーリーなので、是非役立てていただきたい。 実際、Sさんはこのドーリーを導入されて以来、駐車場から池までの200mを、たった一回!で運搬されているそうだ(全て積載して)。



因みにこちらは10mmパイプ内にナットを溶接し、6mmネジで固定した時もの。 本番を想定した人を乗せての実験で、あえなく折れてしまったのだとか。 Sさんの試行錯誤が忍ばれる写真だ・・。


今後のSさんの改造予定は、フロントデッキを作成した後、エレキの後部→前部への移動。エレキマウントの軽量化(鉄→ステン)、エレキ用パワードームの作成という事。 続報を期待して待ちたい。





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