ゴムボートバッシング
〜 スローバッシングのススメ 〜



ショウさんの快適改造テクニック

これまで何度か掲示板にも書き込みを頂き、同じく近畿圏でゴムボートによるバス釣りを楽しむ者として面識のあったショウさんだが、このたび、めでたく遠征用ゴムボートの完成に漕ぎ着けられた。 今回は有難くもそのボートを、当サイトにて紹介させて頂く事となったのだが、まずはショウさんご自身のゴムボートに対する情熱、ここにいたるまでの開発の歴史がつぶさに記録されている、「Doco? Soco! -どこまでやるの?そこまでやるか!-」 を、ぜひご一読いただきたい。 ここではご紹介しきれない改造秘録の数々や、あっと驚く改造テクニックがたっぷりと紹介されている。 尚、「Doco?Soco!」サイト内における当該ボートの専用紹介頁はココとなっているので、こちらもご覧いただければ、今からご紹介するボートの詳細が、よりご理解いただける事だろう。(以下、htm形式でご投稿いただいたので、それをそのまま転載させていただきます。 ※印のみ管理人の注釈)




船名 JSSB-Red Strong号(NX-01A)
所有者・ジュン&ショウ
カスタム担当・ショウ


この船のベースはすでに購入後9年過ぎており船体の劣化とくに船底部はボロボロで廃棄予定でした。しかし捨てる前にいろいろ改造してデータを取ることになり今年5月に船底部の大規模修理を自前でおこない延命しました。2007年末頃までは試験船として活躍する予定です。

この船(NX-01A)は2名乗船の遠征専用試験船です。この船で培ったノウハウを元にして、次に購入するボートに反映することを目的に製作しました。なお、この船の守備範囲はダムや小規模湖などの比較的水面が穏やかな場所までです。琵琶湖のような波の大きな湖には適しません(大規模湖用には現在開発中のNX-01Bで対応します)。

この船の開発コンセプトは以下のとおりです。
遠征専用
高い視点・快適な釣り
セットアップ労力を度外視
重装備を推力でカバー
快適な昼寝

ベース船
アキレス製ハイパロンボート(現行のEZ5-942相当) 1997年購入
全長280cm  全幅132cm

修理歴
2006年5月
底面を全面に液状ゴムでコーティング

仕様
全通上甲板または2層セパレート甲板(バウ部はトランサム式)
スタビライザー1対
魚探 HONDEX HF-520
フロント側エレキ モーターガイド・エレキX(36lb)
リア側エレキ ミンコタ・マクサム55T(55lb)
バッテリー シーキング90A×2(マクサム55T用) ボイジャー105A×1(エレキX用)
ビッグフット(マクサム55T制御用)
タナハシ製リアエレキマウント
脚立×2
係留ゴムフック×3
スケール 2箇所



マクサム55制御用のビッグフットです。 前部座席者が使います。
(※ビッグフットとは、エレキモータとバッテリーの間に接続する事で、エレキのオン・オフを足元で制御可能にする装置。 通常、足での操作が不可能なハンドエレキに用いられる事が多く、ショウさんはこれを後部用ハンドエレキにセットされている。 つまりこのNX-01A艇においては、前部座席者は2機のエレキを操作する事になる。)




左舷後方の係留ゴムフックです。もちろん船の係留に使います。
(※こちらの係留用フックについても、Doco? Soco!内のこの頁に詳細が掲載されている。)






前部座席まわりのレイアウトです。左からモターガイド:エレキX=全開走行時と操舵用スラスターとして使います。電源はボイジャー105Aを一基使います。係留ゴムフック:左右2箇所に設置しています。僚船のフロートボートとの連携も考慮されています。(※僚船との連携についてはDoco? Soco!内のコチラに。 これが思わず「オ〜!」と拍手を送りたくなるようなアイディアで、まさにショウさんの独壇場だと思ったのだが、ショウさんご自身によると、こういった使い方をしているボートは他にも案外見かけるのだとか・・)
魚探:HONDEX HF-520。遠征時の必需品です。
フットコントローラー:エレキX用。
ビッグフット:マクサム55T用。
脚立:椅子です。




この船で採用されたシート(椅子です)もともとはホームセンター・コーナンで購入した脚立です。安定性・快適性ともに優秀ですがチト重いです。




主動力のミンコタ・マクサム55T。推力55lbの12ボルト最強トルクのエレキモーター。電源にはシーキング90Aを2基並列で繋ぎます。(※ゴムボートにエレキ2機がけというのも型破りなら、バッテリーが全部で3発というのも型破り!重戦車のような外観もあいまって、走る姿はさぞかし圧巻だろうが、実はショウさんがご活躍されている兵庫県では、県全域のダム湖で船外機の使用が禁止されているらしい。 そのへんの事情もあっての、この超ド級仕様なのだろう。)


 

80cmまでの「何か」を計れるスケールです。左は前部座席・右は後部座席用。
(※80cmまで計れる「何か?」とは、ふいに、コイなどの外道を釣ってしまった時の事を考慮して。勿論ハチマルクラスのバスが釣れたら嬉しいに決まってるが、あくまでスケールには余裕を・・・ という遊び心である。)




15cm×90cmのスタビライザー。竿かけモールドを利用した定番的なタイプ。なぜかV型形状。 (※この竿かけモールドを使用したスタビライザーの詳細については、同じく「Doco? Soco!」内のNX-01A専用紹介頁にある。構造、重量バランス理論などについても詳しく紹介されている。)






全通上甲板スタイルの上方ショット。
通常はこちらのスタイルで組む。後部座席の人は脚立をたたんで快適な昼寝ができます!





こちらはセパレート甲板スタイル。
乗船者の練度が低い場合や、湖面が多少荒れ気味のときはこちらのスタイルで釣ります。(※この上方からの2枚の写真は、ショウさんのボートコンセプトが一番明確に表れている写真だと思う。「高い視点・快適な釣り・快適な昼寝・・」 どの条件も、このボートでなら高次元で実現してしまいそうだ。)






これは5月の底面補修。左は補修前。 ごらんの通りゴムがあちこちで剥がれまくりボロボロの状態。ゴムボートは使用後はキチンと空干ししないとゴム底がモロくなります。これは傷ついたところから中の布地に水分がしみ込み、その水分が気化することで内部からゴムと布地を剥がしてしまうためと推測されます。右は補修後。液状ゴムを全面塗布しました。これで一応は浸水は抑えられました。 (※このあっと驚くコーティング方法については、Doco? Soco!内の「コチラ」 をご参照いただきたい。 ゴムボート最大の弱点である底面が、まさかこんな方法で蘇るのか!と、驚かれること間違いない。)



おまけ
こちらは1名乗船のホームリザーバー専用試験船。
いつもはこの船で僚船のフロートボートと連携をとりつつ釣ってます。





先に御紹介していた2人乗り遠征用ボート、「NX−01A号」の完成後も、続けて新たなボートを入手し、精力的にカスタム道を邁進されるショウさんの御様子は、氏のサイトでも知るところだが、今回は有難くも、その中から2馬力エンジン搭載モデルの御投稿を頂ける事となった。 もはや全国カスタムゴムボ界を代表すると言っても良いショウさんだが、今度は一体どんなエンジン艇を作製されたのだろう? 例によりHTML形式で御投稿頂けたので、以下、そのまま転載させていただく。



2馬力エンジン搭載モデル(NX-01B/2ps)




2馬力エンジンを搭載したモデルで、全通上甲板ではなく安定性の高いオーソドックスなスタイルで仕上げました。琵琶湖の沿岸部やエンジンOKのリザーバーがターゲットです。


仕様
強化デッキ(底板)
スタビライザー1対
フロント側エレキ ミンコタ・エンデュラ30(30lb)
リア側エンジン ホンダ製 4ストローク空冷2馬力エンジン BF2D
バッテリー シーキング90A×2
タナハシ製リアマウント(デッキに直づけ)
バウデッキ(ハンドエレキチルトアップ機能付き)
折畳みイス×2
係留ゴムフック×1
スケール 1箇所





船尾側の様子です。
強化されたデッキにノブボルトで直接固定できるように仕上げています。
イスは小型の折畳みタイプ。前側のイスも同様です。
下に見える赤のタンクはガソリン携行缶で3L入ります。
エンジンはホンダ製 4ストローク空冷2馬力エンジン「BF2D」。
扱いやすい入門者向きの機種です。
写真から欠けて見えますが、係留用ゴムフックが左舷側に装備されています。





今回新たに作り直したスタビライザー。
NX-01A用よりも幅が小さく10cm×90cmです。





9mm合板で作成した自作デッキ(底板)。
2名が立って釣ることができます。






バウデッキまわりです。 使用しているエレキはミンコタ・エンデュラ30(30lb)。
それに既製品のパワードームが付いています。
パワードームは船体へのペラの接触防止の意味合いが強いです。
また20cmのエクステーションハンドルでスティックを延長しています。
バウデッキは甲板上にノブボルト2本で固定。
トップの浮き上がり防止用にフックを装備する予定でしたが実際は右の写真のようなバッチイ仕上がりです(反省)。






バウのハンドエレキを水から上げたところ。2種類の上げ方ができます。
右はエレキのチルト機能だけであげた様子です。
左はバウデッキのチルト機能を利用した様子です。






上方のショット。 なお上の写真は完全エレキ仕様タイプ。
バウデッキとイスが変更になっています。
エレキのバッテリーは両タイプとも中央のボードの下に設置してます。

このボートの改造は一応これで終了になります。
taityouさん、掲載ありがとうございました。(感謝)




という訳で御紹介させていただいた、ショウさん初のエンジン艇「NX-01B/2ps号」。 独自に施された改造技術の数々も素晴らしく、またデザイン的にも大変美しい新艇であったが、ここまでご覧頂いた後は、ぜひ続けてショウさんの本サイトへも訪れて頂きたい。 ここでは紹介し切れなかった技の数々や、よりマニアックな情報も沢山掲載されているので、ゴムボ派の方には楽しめる事、うけあいである。 また、サイト内の当該ボート紹介頁はココ(フレーム内頁)となっている。 大変興味深い走行動画もアップされているので、ゴムボマンには必見だ。




(本サイトのバナーより)




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