ゴムボートバッシング
〜 スローバッシングのススメ 〜

「ワンタの父」さんの快適改造テクニック


このたび弊サイトをご覧いただき、ゴムボートを購入・改造されたという、「ワンタの父」さん。 「ボートはまだ試作段階で塗装もしておらず、予定の改造も終わってない」との事ですが、「どなたかの参考にでもなれば・・」 という事で、今回有難くも御投稿をいただきました。 二人乗りでの使用、エンジン不可という大前提のもと改造に着手された「ワンタの父」さん。 夢を実現する為、一体どんな改造を施されたのでしょう? 以下、いつものように頂いた画像をもとにコメントさせていただきます。




ワンタの父さんがベース艇として選ばれたのはポパイBL325。 シリーズ最長を誇るこの船は船内長が246cmと、初期のBEE−Xに比べ35cmも長く、まさに二人乗船にうってつけ。 二人乗船での船内の狭さについては、これまでも散々指摘しているように、乗り手にとっては本当に狂おしいまでの大問題。 それだけに今回の「ワンタの父」さんの選択は、個人的にも非常に頷けるものだ。




各部に施された改造部分を見てゆこう。 これはバウデッキ部分。 費用節約の為、デッキは12mmのベニヤ板で自作されたそうだが、一見して完成度の高さを窺わせるものとなっている。 特に特徴的なのはその固定方法だが、百聞は一見にしかずという事で、下の画像を拡大してご覧頂きたい。


     
(クリックで拡大)


左画像の真ん中にあるのが、新兵器ターンバックルなる物だが、このバックルの一方を右写真に見えるデッキ裏3箇所の金属部分に引っ掛け、もう一方をボート内部のリングとボート先端にあるリングに引っ掛ける仕組みとなっている。 これまでデッキの固定には、竿掛けモールドを使用するのが一般的だったが、ワンタの父さんの場合、ボート付属のDリングを上手く利用されたようだ。 いつもながら達人達のアイディアには感心させられる。
尚、画像にはないが、エレキはミンコタマクサム44lbを30インチにシャフトカットしたものを使用、2mmのアルミ板で自作されたキャビテーションプレートも付けられたそうだ。 こちらの方も抜かりは無い。






※)ターンバックル
中央部分を回転させる事により長さが伸縮する工業製品。値段も安く機能的なので、今後ボート改造の定番に? 因みにワンタの父さんが使用されたのは、3/8サイズ3本と先端用の延長ボルト。



次に御紹介するのが、ドリー&ラダー。 ドリーの足部分は25mmのアルミ角、足枠は30mmのコの字型アングルで作製され、ベニヤに8mmのピンで固定されている。 さらにタイヤはホームセンターで買える1個820円の16mmタイヤを使用、湖上ではピンの入れ替えにより跳ね上げ式に出来るらしい。

ラダーについては2mmの長方形アルミ板を角アルミに固定して作製、マウントへの固定は、ベニヤ部に取り付けられた建材の金具で締め込む仕組みとなっている。 そしてこれは上下にスライドし、任意の位置に固定する事も可能だ。 尚、これらドリー&ラダーのボート本体への取り付けは、ポパイ純正のエレキマウントに穴を開け、ボルトで固定する方法となっている。 




実際にこのドリーを使用してのレポートも頂いているので御紹介しておくと、 『スロープで、フル装備(推定80〜90kg)で下ろせましたが、エレキマウントに力がかかりマウントが脱落したため、針金でマウントを仮に固定しました。 スロープで下ろせる程度で、移動するには重すぎました。 バッテリーとエレキを外せば、芝の上でもそれなりに運べました。(段差が3センチくらい?)』 との事。

流石に100s近い重量には少々荷が重かったようだが、通常の運搬では必要十分な様子。 思うに、この方式のドリーとしては、この積載量が限界点なのではないのだろうか? もしこれ以上の、例えば一切合財を積載出来るような能力を望むならば、次はボート底部に潜り込むような、台車型のドリーしか無いような気がする。 しかしそうなると今度は、手軽さとは遠くかけ離れたものになってしまうのは言うまでもない。


最後に今後の改造予定と問題点として、ワンタの父さんは以下の事柄を挙げられている。
※エレキのヘッドがボートのチューブに近すぎるため、取り付け直し。 ※ドリーの強度は問題ないが、跳ね上げ時に後部に乗船者に邪魔なので、台座の再製作。 ※ドリー使用時のマウント脱落防止用の金具追加。 ※ラダー取り付け方の再検討。 ※脚立からシートへの変更(脚立だとポジションが低い、スペースの確保のため) ※ロッド置き場を左右のチューブの上に検討。 etc..

私などが画像を拝見する限りは、全てにおいて完成度が高く、もう出来上がってしまった船のように見えるが、ワンタの父さんは、それでもなお不備が残ると仰っている。 きっと改造者にしか分りえない喜びと苦しみを、試行錯誤の中、味わっておられるのだろう。 更なる改造報告を刮目して待ちたい。


10/2NEW!
実は、もうかなり以前よりワンタの父さんから、新たな改造ボートの報告を頂いているのだが、管理人多忙につき、いつまでたっても更新出来ずにいる。 このままでは、せっかく御投稿いただいた「ワンタの父」さんに申し訳が立たないので、今回だけは不本意ながらも、頂いた画像と原文を構成などは全く考えず、そのままコピペさせていただく事にした。 文章の前後関係、画像の配置などおかしい箇所もあるかもしれないが、画像のサイズ・枚数を極力大きくしておいたので、何卒ご容赦いただきたい。





また、改造しました。
今回は、『快適に釣るを目的』に製作しました。 輸送は、・・・ まだ未完成(ゴールデンウィークに使う為、突貫作業でしました。)ですが、暫く完成・詳細画像を送れそうもないので参考までにと思いました。

ベースは、ポパイBee07モデル『BL325』です。 昨年の改造と追加改造後に起きた問題の為、再度の製作に至りました。まずは、昨年度の改造を見てください。

まずは、昨年の改造後、追加改造
1、エアフロアの安定性向上のため9mmのコンパネを60cm×90cmを敷いた。
ついでに、フロントデッキの台座とチョウバンで、接続。
2、スターン(リヤ)デッキ(未掲載)も分割(2枚)型で製作した。
3、脚立の換わりに付属の腰掛板にキャスティングシートを付けた。





画像を送れませんでしたが、スターンデッキは、快適です。
おおよそ、後端から80cmのサイズで作りました。チューブが、40cmの為、残り40cmの下が収納で、上をフラットにしました。 チューブの上40cmの差が大きい、高い位置で立ってできるので、二人でもキャスティングの際の気遣いが大幅に軽減。 ジグ打ちもOKゴムボートで二人乗りの為か端に乗っても安定性は問題なし。後ろの方が、スペースと、キャスティング性から、快適なくらい。 悔しいので(自分の船の為、大抵は前乗りなんです。)、フロントもハイデッキ
にしちゃうことにしました。







他にも、こんな問題がありました。
1、敷板が、歪で結構重いし、積載に手間取る。重量も敷板を使うくらいなら、ハイデッキでも大差ないでしょう。
2、フロントデッキの取り付けに手間と時間が掛かる。
3、スターン(リヤ)デッキ(未掲載)も分割型で製作したが、組み立て難い、重い。
4、各パーツが歪で統一性がなくて、積載時に手間取る。
5、キャスティングシートを付けたが、安定性が悪く不採用。敷板に脚立の方が良かった。
6、ラダーの取り付けが強度不足で、ラダーがもげ、ダムの底で眠ることになった。しかし、ドリー用のタイヤを水面に浮かせることで、ラダーが不要と判った。 そこで、輸送時に搭載可能なサイズ、約120cm×約90cmを前提にパーツ類の簡素化、組み立て性の向上。 どうせなら、ペダル埋め込み、竿置きスペースの確保、キャスティングシート本採用と欲張ってみました。 おかげで、画像のように未完成(一部未塗装状態)です。





主な特徴は、
1、フロントからセンターまでを、ハイデッキ
2、キャスティングシート化
3、ペダル埋め込み
4、画像には有りませんが、スターン(リヤ)デッキ追加
5、各デッキの基本パーツは、幅を約110cmで統一、厚差を、約5cm、長さを約80cmから90cmで構成。 デッキのベース材は9mmで、補強に同じ9mm材で40mm幅板を格子状に貼
り付け。重量は、板厚12mmで、補強なしと大差なしかな? 





フロントデッキの固定は。マルチアダプターとモーターブラケット上部の穴を利用、センターデッキは、マルチアダプターを2個追加して、4点で固定、センターデッキは、下に台座を作り補強。 マルチアダプター固定と板の強度だけでは、不安な為スターンデッキは、マルチアダプター、腰掛板、モーターブラケット(ドリー&スターン固定用に改造)で固定、埋め込みペダルケースは、厚さが約120mm程度なので、脱着式(フロントデッキ固定だと他と厚みに差が出て、積載時に出っ張るため) フロント固定のモーターブラケット側は、20mmのアルミパイプと配管固定用の金具を利用、デッキが斜めになる為にデッキの切り欠きも斜めに合わせてます。 先端側のみアルミバーにて補強。 エレキマウントも台座を作りフロントデッキと脱着可能(積載が楽になりました。) 各デッキに収納用の扉を作製、ペダルケースも扉代わりになってます。





今回の改造により、昨年と比べると釣っているときの快適さは、倍増しました。 重量も倍増です。 簡素化は、失敗しました。基本パーツは、シンプルですが、取り付けよう部品が統一できなかったり、感覚的だけでは組み立て方が解からなかったり。 組み立ては、エンジンマウントの取り付け以外は、湖上でセットできるようにしてあります。

持っていないのでイメージですが、ポパイ純正で、フロントデッキ・フットコン、竿置き、ラダーを装備した時と組み立て時間に大差は出ないかと思います。 出来ても5分くらい? 組み立て労力は、同等ですが、運搬・積載労力は、1.5倍ですかね〜




ちなみに、空気入れは、やすーいポンプを使ってます。近所で見当たらなかったので、ネットショップで、送料・代引き込みの¥2500−電動ポンプと、壊れかけの付属のフットポンプ(純正は壊れやすくないですか?) ハイデッキ、エンジン無しなので、そんなに空気入れなくても問題なし。 埋め込みペダルも、疲労軽減に効きます。一度、設置してしまうとペダルの移動が出来ませんから気を付けて下さい。キャスティングシートで、固定してしまったの、一人のときも、二人のときも、ポジションが変わりません。現在、一人ではフロントよりの重心になってる気がします。


これからの追加改造予定・希望。
1、ドリーを使わない、持っていかなくても済むように、簡易ラダーの作製(けっこうかさばりますから)
2、フロント・センターデッキの接続の固定化・強度アップ、現在は重なって乗っているだけ(エレキ24V、エンジン搭載を企んでます。)
3、センターデッキの補強用台座の簡易・軽量化又は廃止(どこまで強度が必要か解かり難いんですよねぇ〜)
4、カーペット張り(カーペットは買ったんですけどねぇ〜)
5、センター・スターンデッキ間の竿置きの追加(かさばるけど、ちょっと快適性が上がるかも)
6、ドリー使用・運搬時の安定・固定強化(一人でスロープ使って降ろす時にねぇ〜)

どうしてもBL325で、二人乗り前提、快適性を求めるとヘビーになる。 性格と思い込みで、竿をラフに置いてその都度チェンジする釣がしたい。 その為竿置きのスペースが異様にでかい。それは仕方ないとして、一人で使用するときでもヘビーになるのが問題。
一人乗り用の装備も作った方が良いような気がする。
また改造が進みましたら報告します。
最近、釣りより改造してる時間の方が長かったりします。





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