ゴムボートバッシング
〜 スローバッシングのススメ 〜



やっしーさんの快適改造テクニック

『はじめまして。やっしーと申します。いつもホームページを楽しく拝見しています。私は、岩手県南、を中心としバスフィッシングを楽しんでおります。 ゴムボーターとして早10年が経ち(現在2艇目)、思い切って裏技を参考にさせていただきながらゴムボのリフォームをいたしました。 まだまだDIYについても未熟なためきれいな仕上がりになっていませんが、自分なりに思案した部分もありますので、評価等お願いし、投稿させていただきたいと思います。』 という紹介文と共に、今回改造画像をご投稿いただいたやっしーさん。 さっそく拝見するや、その改造とは、ご自身の御職業でいらっしゃる建築業の技術をふんだんに取り入れた、他のどの達人達とも違う大変素晴らしいものでした。 今回は詳細なコメントも頂けたので、原文を転載という形でお伝えいたします。





これが今回御投稿いただいたやっしーさんの「ヤッシー号」。 ベース艇をアキレスの6人乗りボート ND6-342(1999年シリーズ)とし、自作の前部エレキマウント+後部ラダー、それにスタンディングシートの設置で、主に一人乗り軽スタイルでの釣行を実現されている。 軽トラ+改造ゴンボの画がかっこよすぎるが、さっそく各部の仕様を見てゆこう。 



先ずはマウントから。
『motizoさんの作品及び達人さんたちの作品を参考に、作成しました。ベースはφ300の塩ビ管(塩ビ管を画像検索)の継手を使用、チューブ系が38cmなので若干ですが太めにしました。他のマウント部材は、建築用のL型金具を使用し、2cm厚の木板を取り付けました。以前はタナハシ製の後部エレキマウントを使用しておりましたが、前部にエレキをどうしても取り付けたいと思い作成しました。操作性、耐久性等満足がいくものが出来ました。制作費約4,300円』。

という事で、ご覧のように今回やっしーさんは、最近のトレンド(?)である、塩ビ管を使ったエレキマウントを自作された。 この塩ビ管という代物、一般にあまりなじみが無いようだが、調べてみると、ネットや巨大ホームセンターでは個人購入する事も可能らしい。 ただし、このサイズともなると販売単位が大きすぎ、また金額的にも現実的ではないので、やっしーさんのように残材を利用出来る環境で無いと利用は難しそうだ。 サイズや取り付け方法などはヤッシーさんの解説が参考になると思われるので、事情の許す方などはチャレンジされたい。


(クリックで拡大)


次にラダー部だが、これも原文によれば、
『塩ビ管の残材で作成しました。 特徴としては、ラダーの上げ下げをフットエレキのように出来るようにしたことです。 写真を見ていただければ解ると思いますが、ドアの蝶盤を利用し折りたみ仕様にしました。 使用感は、有るのと無いのとでは全然違います。 無いとドリフトしっぱなし、怖くてスピードが出せませんでした。 材料は、アルミ板、アルミ角材、ステンレスパイプです。 制作費約3,200円と自分としては安く出来たと思います。』

という事だそうだ。 ラダーもまたエレキマウントと同じく、残材の塩ビ管をベースに作成されたようだが、それにしてもこれ程の物を3200円で作ってしまわれるセンスには驚く。 機能的にも面倒な上げ下げを手元で出来るようになってたりと、こちらも秀逸。 これまでもう何艇もの改造ゴンボをご紹介してきたが、まだまだ達人達のアイディアに終わりは無いようだ。




次にパワードームを見てゆこう。 こちらも原文から御紹介すると、
『A4サイズのアルミ板をyahooオクで2枚で980円を落札、一枚はラダーへ使用し、もう一枚はどうしようかと考えた結果、パワードームに決定。 これもまた、達人のみなさんの創造力やDIY術をお借りし制作しました。 部材はエレキ取付部にU型の金具及び棚を作る際のL型金具(名前がよくわかりません)を使用し、シャフトに2点止めをしました。使用感はエレキ始動時のブレが無くなりました。 また、後で気付いたのですがプロペラと船底の緩衝の心配が無くなりました。制作費約1,700円』

という事らしい。 これまでの達人達もみなそうだが、腕に覚えのある人ほど、このように良いものを安く賢く作ってしまわれる。 技術的にみても、アルミ板のカット、角の処理、取り付け位置のバランス、強度の出し方など、そうたやすい事ではないと思われるのだが、この写真を見る限り、そのどれもが十分にクリアされていそう。 こんなふうにアイディアを具現化できる人が、つくづく羨ましい。

因みに文中にある「エレキ始動時のブレ」とはシャフトのブレの事で、何かの拍子にこれが起こってしまうと、船体にまで振動が伝わり、お尻が不快な事このうえない。 パワードーム無しだと必ずしも起こるというものではないが、直進性のアップ、スピードのアップにもつながるそうなので、ラダーに加えパワードームも、是非取り入れたい装備だ。




更に自作底板も見てゆこう。 やっしーさんよれば、この自作底板は、
『ある日の金曜日、新聞のチラシを見ていると、近所のホームセンターで型枠用コンパネ¥980の文字が目に飛び込んできました。 これは安い!!と思い、即購入、ちょうど底板を直さなきゃと思っていた所だったので良い買い物が出来ました。 以前はスノコを利用して製作、強度より軽量を選択したため体重が掛かるとバキバキ板が割れてしまった。 1シーズンでご臨終でした。 底板は、3枚の分割式で折り畳み、板の繋ぎには、ボート付属の底板を適度にカットし、コンパネに重ねてビス止めです。(参考までに型枠用とは、工事現場等で生コンを流し入れる型を作る時用なので、建築用の下地コンパネより水には多少強い。)制作費980円』 だという事だ。





ちなみに上の画像は管理人釣行記からの一枚だが、これは修理を怠るとこのようになってしまうという悪い例。 ボート付属の底板は案外薄く、木製の場合は酷使すると腐ってしまいこのようになる。 底板は正にボートの基盤となる部分なので、安定感のアップも兼ね、事前にやっしーさんのように補修強化しておくのが望ましい。 

続けて自作シート台座だが、これは、『材料は、見たまんまの木の角材と丸棒です。 台座プレートは数年前にボートの木板シートにビスで固定して使用していました。 しかし前記でも書きましたが、タナハシ製のマウントを購入した際、シート付でしたのでそのまま倉庫の奥で次の出番を待っていたものです。制作費約700円』
という事。 こちらも当然の如くぬかりは無い。



最後に、その他として幾つかのパーツ説明も頂けたので御紹介しておこう。
エレキのフットスイッチ・・・ヤフオクで購入
エレキ延長ケーブル・・・・・ブースターケーブル50A
魚 探 ・・・・・ホンデックス HE-520
ギョタッチメント ・・・・・アキレス製
と言う事だそうだ。




と、以上が今回やっしーさんより頂いた画像とコメントの全てだが、ご覧頂けたように、今回もまた、これまでのどのゴンボとも違う、新たな技術が盛り込まれた素晴らしい作品だった。 頂いた情報によれば、次なるやっしーさんの目標とは、ロッドホルダーの作成と収納部分の作成という事だそうだが、想像するに、きっと次の作品もまた相当レベルのものになるのだろう。 私としては、次なる報告を心して待ちたい。







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