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6月20日  世木ダム  11:00〜18:30  ゴムボ


朝まずめの爆釣、夕まずめの爆釣、
雨後の爆釣、大潮の爆釣、
産後の荒食い、秋の荒食い 等々、



洋の東西を問わず、
釣りにおける爆釣のパターンを 形容する言葉は多々あります。
しかし、


  
「台風前の爆釣」


ほど、ダイナミックなスケール感をもって、
釣り人の心を引き付ける言葉は、他に無いのではないでしょうか?



生憎、私は未だかつて
そんなオイシイ思いをした事は 一度も無いのですが、
ひょっとしたら、今日こそは台風の恩恵にあずかれるのでは?
ふと、そんな予感がしましたので、
久しぶりに日吉ダムへと行ってみました。



のですが・・
現場へ着くや唖然呆然としてしまいました。
予想はしていましたが、あまりにスロープが遠いのです・・
いざ現場へ到着してみると、この遠さは殺人的に思えます。
これでは釣りをする前に へばってしまいます。
なので、しばしの協議の結果、
一つ上の兄弟ダム、世木ダムへ行く事になりました。







で、今回のスタートは世木ダムの最上流は、川の岸辺からです。
どんよりと重く湿った草いきれの中、
汗だくになりながらのスタートです。







「どこへ行く?」
と、S氏。
「そうだな〜、アフター回復組の遡上系川バスを狙ってみよう」
と、私。



そんなふうにして、先ずは川を遡りながら、
ベイトを追って遡上しているだろう 回復バスを探してゆくことになりました。
攻め方は岸際へのスキッピング。
例年のこの時期、一番実績のある攻め方です。
岸際のエグレ、ブッシュの生え際、水没大岩の影、
冠水した木の根元、等を重点的に狙ってゆきます。



ワームはデスアダーの5in、縦セットを使用します。
スキッピングがしやすく、
小バスも避けられるというのがその理由です。
これで出れば、最低でも30後半、上手くいけば、50がらみ。
川の流れもあいまって、
釣れれば最高にエキサイティングなやりとりが楽しめます。



さて、そうやって50mほど遡りました。
残念ながら、これまでのところマイクロバスの姿しかありません。
彼らは時に、ワームを 「クイクイ!」 っと引っ張ってくるのですが、
その都度、「ピシ!」っと あおってやれば、
まずフックアップには いたりません。
そうやって小さいアタリをかわしながらも、
本命のアタリを待つ釣りが続きます。



もう少し遡りました。
例年の良い時期ならば、
もう何本か出ていても良い頃ですが、
未だ本命のサイズは出てくれません。
回復バスの遡上は本格化していないのでしょうか。
それとも とうに回復して、最上流へ行ってしまったのでしょうか。
辛抱の釣りが続きます。



流れ込みにやってきました。
良い時期なら、いつも釣れる所です。
落ちてくる昆虫や、集まってくる小魚を狙うバスが、
いつもホバリング体勢で、
流れ込みの浅瀬に乗り上げています。
しかもそんな奴は、大抵50がらみのデカイ奴だったりします。


そんな奴を狙って、先ずは慎重に、
流れ込み対岸の岸から撃ってみます。
ここもかなりの実績ポイントなのです。



流れの当たる岸際へスキッピングを決めます。
「シュピシュピシュピー!」
非常に上手く決まりました。
音・スキップ間隔、共にベストです。
何だか とても出そうな気がします。
物凄い予感がします・・



「グボ!」



出ました!
やっぱり出ました!
しかもデカイです!
グイグイ引っ張ります!
ロッドがギシギシいってます!


「ギラ!」



魚が見えました!
40後半です!
ヨンパチ君かもしれません!
何としても捕りたいです。
絶対捕りたいです。
逃したくありません。



「プチン!」



切れました・・
最後の急潜行に ドラグがついていきませんでした。
あんなに引いてるのに、ドラグが一鳴りもしませんでした。
いつもはこんな事無いのに、何故でしょう?
泣きそうです。
新しいリールが欲しいです・・。
出来ればステラが良いです。







気を取り直して 更に遡上です。
先程のラインブレイクを見ても、
全く魚が入っていない訳では無さそうですので、
この先の最上流部に 魚が集まってるという事も考えられます。
うまくすれば、パラダイスが待っているかもしれません。
先程のリベンジに期待です。



グングン遡上です。
わくわくしながら遡上です。
いよいよ見えてきました、最上流部です。
が、何やら人影があります。
あれはウェーダーマンです。
川の真ん中に立ち込み、流れのサイドを狙っておられます。
これでは遡上不可能です。
仕方ないです、諦めましょう。







川バスを諦め、ダムへと下ってきました。
こちらは全くの無人です。
釣りをされているのは、数人のオカッパリのみ。
ボートを出しているのは我々のみです。
これならば期待できるかもしれません。





流されるまま、ダムの小島(左隅)へと たどり着きました。
ちょうど、川を下りきったところにある小島です。
小島の向かいには馬の背状に伸びる岬(中央)があり、
小島と岬の間は、水深50cm程しかありません。
底質は泥で、所々にスタンプや空き缶が沈んでいたりします。



そして、その小島〜岬間の水面は、
いつも 「プチュプチュ」と、波紋が立ち、
覗き込めば、ニゴイやら、ヘラやら、ギルやら、
マイクロバスやらが 右往左往していて、
相当に賑やかな感じです。
一見してフィーディング場と分かります。



魚のスレ具合はどんなものでしょう?
試しに、目前のマイクロバス目がけて スキッピングしてみます。
見事に無視されました。
小バスとはいえ、いっぱしの スレっからしです。
少し先が思いやられます。
本命の大きい奴はいるのでしょうか?
島周りを少しながしてみましょう。



「あ!」 早速いました!
島周りのブッシュにデカイのが付いています。


「お!」 またいました!
その横にも45くらいのが潜んでいます。


「げ!」
今、ボートの下を50近いのが2匹、通過していきました。
一体どうなっているのでしょう?



・・・どうも これらはみんな産卵がらみのようです。
良くみると、ペアでネストにロックしていますし、
島周りを回遊しながら産卵のタイミングをうかがっているふう
のバスもかなりいます。
おとといが新月の大潮という事で、
この周辺で一斉に産卵を始めたのでしょう。
これで川の上流部に バスが少なかったのも頷けました。
まだ川バスを相手にするには、時期尚早だったという事です。



では早速、大きい奴から狙ってみる事にします。
距離をとって遠目からスキッピングさせてみましょう。
あのオーバーハングの奥の奥(写真左上)に、
50がらみのネストバスがいます。

「シュピシュピシュピー」







がしかし、風ですぐにボートが接近してしまいます。
ネストのバスが一発で食う事など稀なので、
これは とても致命的です。
コチョコチョとワームを動かしているうちに、
あっという間にボートが寄ってしまいます。
物凄くイライラします。



次のバスにうつります。
また接近してしまいました。
台無しです。



更に次のバスに移ります。
全く反応しません。
斜め後ろから目の前に突然ルアーが現れると、
反射的に食うと聞きましたが、そんな事はありません。



しばらくやりましたが、ネストの釣りには飽きてしまいました。
というか、ゴムボでは無理という事が判明しました。
クルクル回って話になりません。
イライラがつのるばかりです。
なので、今度は島周りを回遊しているバスを狙って、
ウオデスを乱れ撃ってみる事にします。



4〜5投目、早くも反応するバスがいました。
ピックアップ目前、
背後から物凄い勢いで45cmくらいのバスが2匹、突進してきました。
「食え!」と、念じたら、なんとそのまま食いました。
手元には、「ガッ!」という、スイムベイト特有のアタリです。
やったか!? と思いましたが、
無情にもフックアップには いたりませんでした。
食い跡から察するに、尻尾の先端部を食っていたようです。
スイムベイトにはよくある事です・・
先程の川でもナイスサイズをラインブレイクしているだけに、
もう2匹もランカーを逃してしまった気分です。
かなり凹みます・・







その後、そのポイントを少し休ませる為にも、
場所を移動し、本湖の奥へと進む事にしました。
ポツリ、ポツリと、それらしいポイントでは釣れてくるのですが、
どれもサイズが小さく、岬周りのバスと比べると、
如何にもシーズナルパターンから外れている感は否めません。







結局、時間つぶし的に あちこちやってみましたが、
その間釣れたのは最大でも30後半が関の山でした。
大きいのはスポーン最中か、若しくは既にスポーンを終え、
川を遡っていったのかもしれません。
あくまで私の想像です。









夕刻、スポーンがらみのバスを求めて、再び岬を急襲です。
先程大きい奴が固まっていたポイントへ、
そろりそろり と接近します。
案の定、彼らは まだそこにいました。
が、期待とは裏腹に やっぱり彼らは釣れてくれません・・



ネストのバス、島周りをうろつくバス共に、
ワームを見て見ぬふりです。
夕まずめのタイミングでなら 食ってくるかとも思いましたが、
大きな間違いでした。
色々やっても全て見切られます。
もう我々のスキルではどうしようもありません。
お手上げです。







そうこうしている間にも、残り時間を心配する時間となりました。
後ろ髪引かれつつも、このポイントは諦め、
川を遡って エントリー地点へ戻らなければなりません。
しかし、戻りながらも くさい所は要チェックです。
時期も時期だし、全く魚が入ってないとは考えにくいからです。






特にこういう所は要チェックです。
手前のブッシュにはピッチングでルアーを送り込み、
奥に見える岸際のエグレには、
スキッピングでルアーを送り込みます。
川を遡るバスは、普通、川のど真ん中を遡るのではなく、
こういった岸の淵に沿って移動すると思うからです。



実際、何度か如何にもアフターなボロボロバスが、
川の淵に沿って上流へ向かうのを目撃しているので、
恐らくこの考えは間違っていないでしょう。



そういった事を念頭に置き、川を遡ってゆくうちに、
また一箇所、如何にもくさいポイントを発見しました。
ここも相当にくさいです。





流れが無く、水も淀み、
ベイトっけも十分にあります。
上流へ向かう途中の、休憩ポイントにはピッタリな感じです。



勿論、ルアーを送り込みます。
如何にもな所には、1m刻みで、しつこく送り込みます。
一投目、
二投目、
三投目、、



4投目で出ました!
やっぱりいました。
スイープぎみにあわせると、
ラインが弧を描くように「ギュイーン」と横走りです。
最初左に走り、今度は右に走ります。
まるで車のワイパーみたいです。
水深が無いだけに、横へしか逃げられないのです。
背びれの先があっちへ行ったりこっちへ行ったり、
見ていて とてもスリリングです。



いけません、遊びすぎました。
魚が水深のある方へ向かっていきます。
そちらのブレイク沿いには倒木が沈んでいて、
行かれると困ります。



慌ててロッドを倒し、反対方向へ誘導です。
あれ?
全然誘導できません。
そうです! 忘れていました!
午前中、ドラグの不調から ラインブレイクを招いてしまったので、
あえてドラグをユルユルにしていたのです!



やばいです!
いけない方へどんどん向かいます!
グングン向かいます!
大慌てでドラグを締めます。
しまった!
反対に回してしまいました!
更に緩めてどうするんでしょう!



駄目です、もう間に合いません。
魚は倒木に突っ込んでしまいました。
更には、ラインを枝に擦ったまま 大暴れしています!
首を振るたびに「ギシギシ」と、嫌な感触が伝わります。
S氏が、「意外に大きいから絶対捕れよ」と言ってますが、
そんな事を言われてもどうしようもありません。



ボートを接近させて見てみると、
やっぱり、ものの見事に倒木に絡んでいます。
真上から手を伸ばして 絡まっている枝を何本か折りましたが、
更に暴れられて、余計に複雑に絡んでしまいました。
ロッドは急角度で折れ曲がってるし、
ラインはギシギシ擦ってるし、
もうラインブレイクは時間の問題です。
今日はこういう日なんでしょう。
半ば諦めの心境です・・。



でも、もう一度手を突っ込んでチャレンジしてみます。
また何本か枝を折り、
今度は魚を直接 ワシ掴みです。
一瞬魚の尻尾が見えたので、
その部分をワシ掴みです。



しかし案の定、すべって上手く掴めません。
向こうも必死です。
今度は横腹が見えたので、
エラに手を入れて持ち上げてみます。
少し持ち上がって、魚のポジションが変わりました。
と、その瞬間、枝の隙間から魚がすり抜け、
手の届くところへ出てきました!











やりました! 捕れました!
計ってみれば意外に長い、46.5cmのアフターくさい魚です。
きっと、最上流へ向けて移動中のバスだったのでしょう。
お疲れのところ、申し訳ありませんでした。







終了間際、かろうじて46.5cmを搾り出した後は、
そままま、遡りながら同様の釣りを続けましたが、
時間終了まで、特に何事も起こりませんでした。
よって、これにて今回の釣行記はおしまいです。
今回もまた、長い釣行記にお付き合い ありがとうございました。



最後に、すっかり忘れていましたが、
今回の釣行のメインテーマであるところの、

「台風前の爆釣」

これについては、今回も全くの無縁でした。
果たしてホントにそんな事はあるのでしょうか?