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7月25日  日吉ダム  11:00〜18:00

         (イビキ谷ワンドスロープ)


灼熱の炎天下、体力の限界に挑むかのような悪夢のスロープを2往復し、
疲労困憊の末、一切合切の装備を運び終えたならば、
いつものように出船。
「幸せの黄色いゴムボート」を駆り、
未だ見ぬビッグワンとの出会いを夢みながら、
ワンドのショルダー部へと走る。






(イビキ谷ワンドより対岸を望む)



船上より見る景色は、いつもの日吉に変わりなく、
今日も様々なスタイルのバサー達で賑わっている。
エレキ2機がけの本格的アルミボーター、ゴムボーター、
フローターバサー、はてはオカッパリの姿まであり、
最近、メジャー化著しい同湖の様子をよく物語っている。



対岸に望むコンクリートプラントでは、
フロータートーナメントも開催されているらしく、
いつもは閉ざされているプラント上も、今日は沢山の車でぎっしり。
思い返せば先回、トーナメントとバッティングした事で、
予想外の苦しい展開を余儀なくされたのだが、
果たして今回は大丈夫だろうか?
一抹の不安がよぎるも、
先ずはワンド出口のコンクリート壁に陣取り、
最近お気に入りの、ワンナップシャッド4inから投げてみる。






「ビュ!」
ファーストキャストをコンクリと土の境に「ポチャリ」と落とし、
そのままスローリトリーブ。
壁際に沿って、「ピロピロ」とテールのバイブレーションを感じながら、
手元まで丁寧に引く。




(ピロピロピロ・・)



反応なし・・
続けざまに2投目。 「ビュ!」。
今度は若干深度を下げ、同じラインを引いてくる。
壁際にビッグワンは付いてるだろうか?
「ピロピロピロ・・」



反応なし・・
「ビュ!」
3投目は更に深度を下げ、水深2mあたりを引く。
ここまで深く沈めると、テールのバイブレーションも感じないのだが、
しっかりと動いている事を想像しながら、ゆっくりと引いてくる。
「ピロピロピロ・・」



コンクリの先端から通し、時折ボトムにもタッチし、
コンクリの半ばも通り過ぎて、もうそろそろピックアップかな?
と思ったその時、
「グン!」
突然ロッドが絞り込まれた!







慌てる釣り人を翻弄するかのように、ギュウギュウとロッドを絞り込み、
幾度と無く右へ左へ突進を繰り返し、
その度にドラグを「ジージー」と引きずり出し、
散々手こずらせた挙句、ようやく上がってきたバスは、
46cmのアフター回復バスだった。
今頃まだこんなバスがいた事にも驚かされたが、
アタリと同時に喉の奥まで
ワームを丸呑みする、その元気の良さにも驚ろいた。。




到着早々のナイスワンに、すっかり気を良くし、
「今日はこのワンナップシャッドと心中するぞ!」との決意で、
次なるポイントを目指す。
岬をまわり、ワンドからメインレイクへと出、
壁際に沿って下流へと進んだら、
次に現れるのが、夏の定番ポイント、ブイ周り。







対岸まで延々続くブイの、どこを攻めるかでいつも迷うのだが、
今日は両端と真ん中のみを攻めてみる。

ワンナップシャッド、
ワームのスキッピング、
バズベイト、
タロン小、
ジグヘッドワッキーetc..

ブイ下を狙い、2人して色々な事をやってみる。
が、甲斐なくここでは、S氏のタロン小にワンバイトあったのみ。
ブイ周辺にいるであろう居着きのバスを狙ってみたのだが、
今日は収穫にありつけなかった。
やはりこういったポイントは、朝一、夕暮れが望ましいのかもしれない。




引き続き、私はワンナップシャッド+テキサス、
S氏はワンナップシャッド+バズベイト、というローテで、
岸際を上流へと流す。
キャストしてはリーリング、またキャストしてはリーリング。
岩盤、立ち木、岬と次々に景色を移し、
不安定なゴムボに立って、果敢な攻めを繰り返すが、
ジリジリと容赦なく照りつける太陽に、
やる気、根気、体力をどんどん奪われる。



汗をかいては水を飲み、水を飲んでは汗をかくという、
自転車操業さながらの釣りをつづけるうち、
この炎天下、このままこの釣りを続けていたらヤバいかも?
と思えてしまったので、クールダウンする意味も含め、
ちょうど到達した、らくだ島で一旦小休憩をとる事に。。




(らくだ島にて小休止。ストレッチ、小便、オカッパリ、石投げ、その他で気分転換)



ひとしきり休んだ後、体力も回復したので再出発。
それまでの攻め方はそのままに、引き続き上流へ向けてながしてゆく。
「ビシュ!  グリグリグリ・・」
「ビシュ!  グリグリグリ・・」






どれくらいキャストしただろう?
時計の針は正午を大きく回り、
湖上に見かけるバサーの姿もめっきり減り、
ペットボトルの残量もすっかり少なくなってしまったが、
未だバイトにすらありつけない。
一応、夏のセオリーといわれる、水通しの良い地点、
「岬、風の当たる斜面、アウトサイドベンド、バックウォーター」
といったポイントをメインに攻めているのだが、
あいにくルアーに反応してくれるバスはいない。



こういう展開になってしまうと、残された手段としては、
未だチャレンジしていないディープの攻略という手があるのだが、
この灼熱の炎天下、とてもそんな腰をすえた釣りをする気力もないし、
第一、魚探も積んでないし、この先どうしたらいいのか?
ということになったのだが、
ここで、「フロータートーナメントでリリースされた魚を狙う。」
という案が急浮上。
いささか浅ましい気もしたのだが、
背に腹は変えられないということで、急遽大会場へと直行し、
リリース場と思しきコンプラの対岸あたりを狙ってみる事に。




(トーナメント大会場の対岸岬)



例によって、ワンナップシャッドの乱れうちから。
「ピ・ピ・ピ・ピ・ピ!   カチャ!   ピロピロピロ・・」
ワンナップシャッドの、針持ちがよく、
スキッピング能力に長けるという長所を利用し、
岸際へスキッピングした後、
すかさずベールをかえして リーリングスタートという一連の攻めを、
辺りの、「らしきポイント」めがけ繰り返す。



「ピ・ピ・ピ・ピ・ピ!   カチャ!   ピロピロピロ・・」
気持ち、バジング気味で。
「ピ・ピ・ピ・ピ・ピ!   カチャ!   ピロピロピロ・・」
「ピ・ピ・ピ・ピ・ピ!   カチャ!   ピロピロピロ・・」
「ピ・ピ・ピ・ピ・ピ!   カチャ!   ピロピロピロ・・」
「ピ・ピ・ピ・ピ・ピ!   カチャ!   グボ!!
「わ! 出た!」



水面系炸裂音と共に、グン!と重みのかかるロッド。
次の瞬間、ロッドは弓なりの弧を描き、ロッドティップが水面をさす。
釣られた事に気付いたバスは、針から逃れようと、
ありったけの力で深場を目指し、猛然とドラグを引きずり出してゆく。



ここまでの展開は、先回、記録魚と思われるバスを
すんでのところで逃したパターンと まるで一緒。
瞬間、またラインブレイクか?と、いやな記憶が蘇るが、
今日はボートは岸に固定させず、全くフリーな状態。
アドバンテージはこちらにあるとばかり、
突進のたびに、ゴンボドラグと化して、引きに合わせてクルクル回っていたら、
そのうちボートべりで白い腹が「ギラリ!」
やっと上がってきたか、と腹の下から鷲掴みランディングしてみれば、







やった!
午前中の一匹を1cm上回る47cm!
まさか本当にトーナメントのリリースバスではないだろうが、
久しぶりのアタリがナイスバスだったので、喜びもひとしお。
貴重なワンナップシャッドは避けてしまったが、
十分楽しめたのでよしとする。。







しかしホントにコイツはよいルアー。
スキッピング良し、巻いて良し、沈めて良しの3拍子。
私みたいにロッド搭載本数が2本と、制限される条件では、
こういったオールマイティーなルアーは、とても重宝する。
ある程度、小バスやギルを弾いてくれるという点も気に入ってるし、
私にとって、琵琶湖の必須ルアーがデスアダーなら、
リザーバーの必須ルアーはコイツかもしれない。。




その後の展開についても書かねばならないだろうが、
今回は疲れたので割愛させてもらう事にする。
要約すれば、その後もストップフィッシングまで
岸際を同様の攻めで流しながら釣り進んだのだが、
結果はバズベイトで小バスをバラしたり、
ワンナップシャッドでノラなかったりといった内容。


本来なら夕まずめのゴールデンタイムを
ブイ付近や岬に戻って過ごしたかったのだが、
バッテリーもなくなったし、気力、体力も既に失せたし、
何より悪夢のスロープを再び運搬する作業が残ってるし・・
という事で終了したのであった。。




はぁぁ〜、ホントに今日は疲れた・・

7月10日  日吉ダム  11:00〜18:00



あそこに見えるは、日吉の滝谷ワンド。
本流が大きく九の字にカーブする、
いわゆるアウトサイドベンドに位置するワンドで、
水通しもよく、奥には流れ込みも控え、日吉の好ポイントの一つだ。
ワタシ的にも実績は高く、
岬の先端、コンクリート壁、最奥流れ込みといったポイントでは、
過去に何度も良い思いをさせてもらっている。



生憎今日は、どこかのトーナメントが開催されているらしく、
次々に入っては出て行くアルミボートの様子からも、
とても一筋縄でいかない雰囲気ありありだが、
まあせっかく来たのだから、とにかくやってみる。
まずは岬の先端めがけ、チビアダーのチョイ投げから。
「ヒュ!」
と、、



「グーーー・・」
着水と同時に引き込まれるロッドと、
手元に伝わる明らかな生命感!
「来た!」と、そのまま大きくスイープアワセをしてやれば、
「ズモモモモ・・・!」
と、まるでバケツを引っ張るかのような独特の重み!
瞬間大物を確信し、ロッドを立ててハンドルをグリグリ回転させてみれば、
釣られた事に気付いたバスは、いきなり抵抗を増し、
猛烈な勢いで深場へと走る!



ボトムにはスタンプ。
これはやばい!と、なんか浮かせるべくリールを巻くが、
ドラグは出るばかりで、全く上がってこない。
一直線にボトムを目指すバスにどうにもならず、
ラインブレイク覚悟でスプールを押さえ、強引に浮かせてやれば、
「ドッパ〜ン!」と、今度は巨大な腹を見せてのえら洗い!
これをみた私は、リザーバー自己記録の更新を確信し、
鼓動は早まり、緊張はマックスに達す。



「ヤバい、ヤバい、これはヤバい!」
を連呼しながらも強烈な引きに耐え、
切られるか潜られるかの瀬戸際で攻防を繰り返すが、
なかなか引きは弱まらない。
ロッドはバット付近からへし曲がり、
ヘッドシェイクのたびに、ギシギシとガイドはなる。



なおも執拗にヘッドシェイクを繰り返すバスは、
不安定なゴムボートで中腰ファイトをする私をあざ笑うかのように、
全く抵抗を弱める事無く、むしろじわりじわりと深場へ潜る。
ゴムボートを岸へ固定している都合上、
こちらからバスのもとへ行くこともならず、
かといってこれ以上巻き取ることもならず、
もうどうにでもしてくれ!と、だた抵抗が弱まるのを待っていたら・・



「プチン!」 切れた・・
それまで感じていた抵抗感は一気に失せ、
テンションを失った5ポンドラインは、
ダラリとだらしなく垂れ下がってしまった・・
恐らく度重なるヘッドシェイクで、ラインが歯に擦れてしまったんだろう。
先端が、えげつなくざらざらに磨耗していた・・




と、これが今回の釣行に於ける、あらましのほとんど。
前述したように、この日はどこかのトーナメントがあったらしく、
そのせいなのかどうなのか、湖は激タフ。
湖上をせわしなく行き来するトーナメンターの話しを盗み聞いてみても、








「まだ今日は2バイト」とか、
「7割くらいが坊主違う?」とか、
「なんでこんな釣れへんねん」とか、聞こえてくるのはそんな愚痴ばかり。
コース的には小倉谷〜滝谷〜夢の架け橋と、
中流のごく一部を回ったに過ぎないので、
上流、あるいは下流方面では、また違っていたのかもしれないが、
あの悪夢のスロープを精根尽き果てながら2往復もした事を考えると、







疲労対釣果という点では、どうにも最悪な内容だった。
最終的には2人して一匹ずつを釣ったので、サイアク坊主は逃れたのだが、







このところの、「数は出ないけど単発で良いのが出る」
というジンクスも見事に崩れたし、
今日に関しては、全く実りの無い釣行になってしまった。
思い返しても、あの一匹が獲れなかったのは、つくづく残念である・・






「実り」といえば、釣りは実らなかったのだが、
ボートの中では、こんなものが実っていた。



(ロープにくっ付いている部分が種の部分)



バサーの皆さんにはご存知の向きも多いだろうが、
通称「ひっつき虫」である。
釣りを終えた翌日などに、部屋のどこからか発見され、
家族や知人から失笑をかってしまう、アレである。
こんなふうに、収納していたゴムボートで芽を出すなんて、
いかに普段の手入れを怠っていたかが窺い知れるが、
よくもまあこんな環境で芽を出したものだと感心してしまう。
植物の生命力とは、相当なものだ。
願わくば、我々もいつかは、こんなふうに逞しく釣果の芽を出したいもの・・

(と、無理やりまとめてみました。。)