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3月21日  琵琶湖  11:00〜16:30

春分の日、琵琶湖は某所へと行って来た。
本来なら琵琶湖釣行記はアップしないという約束なのだが、
今回は訪れた主要目的が、「エンジンの馴らし運転」だった事と、
新艇の「初エンジンデビュー」を紹介しない訳にいかない・・、
という理由から、特別にアップする事にした。
以下、当日朝からの様子。。





昨年秋以来に訪れた琵琶湖は某所にて、
懸命にヤマハ2馬力エンジンと格闘するS氏。
エンジンに関してはS氏も私も全く経験が無いため、
実におっかなびっくりの作業。
一応、S氏は購入時に一通りの説明を受けている筈なのだが、
これでホントに大丈夫なんだろうか・・?
ゴンボエンジンが珍しいのか、集まった数人のバサーがジッと注視する中、
不安たっぷりのセットアップ作業を行う。






おぼつかない段取りながらも、何とか全ての作業を終え、
水辺にスタンバる、新艇ゴンボ。
真新しい真紅のボディーが早春の景色に映え、いかにも美しい。
目の前には母なる湖、琵琶湖の絶好ポイントも控え、
いやがおうにも期待が高まる。
が、残念ながら今回の目的はエンジン馴らし。
出船後も、いきなりの釣りはご法度で、
最低2時間の低速走行をせねばならない。





湖面を見渡す限り、おかっぱりやボートの数もまばらで、
こんな状況下、釣りもせずただ走り続けるのは、
ほとんど拷問にも等しいのだが、それもこれも今後の円滑なゴンボライフの為。
自分を言い聞かせながら、
ほどなく漕いだ沖の箇所にて、いざエンジンを始動する。






始動する・・
始動する・・
始動する・・
始動する・・


始動しない・・


いくらやっても始動しない・・
時折、「ブロロロロー」と、一瞬かかっても、すぐに「プスン・・」と止まってしまう。
一体何が原因だろう?と、説明書片手に色々やってみるのだが、
何をどうやってもかかってくれない。
始動ロープを何度も引くうち、50回に一回くらいの確立でかかるので、
その度焦りまくってチョークやらアクセルやらを弄くるのだが、
やはりすぐに止まってしまう。


あまりに何度もやるものだから、指の皮はめくれるし、
肩の関節は痛くなるし、もう最低の気分。
一体どれくらいの時間を費やしただろうか?
2時間くらいは格闘しただろうか?
ついにはエンジンの使用を断念し、一旦エンジンとエレキを片付けた後、
手漕ぎにて再出発する事にしてしまった・・
(フットは例によって電池切れ・・)
我々は一体いつになったら手漕ぎから開放されるのだろう・・?





上は辛うじて一瞬だけ走行出来た際の動画。(が直後に止まる・・)
スロットルは半開、大人2名、更にタックル搭載、波に逆らっての走行、
という条件だったが、それでもこんなに早かった。
エンジン搭載後も、ボートの剛性が損なわれる事はなかったし、
走行にもなんら不安はなかった。
今回、それが確認できた事だけは、唯一の収穫。







さて肝心の(?)釣果の方だが、結論から言えば、
正味4時間程の実釣で、アタリのアの字も出なかった。
ぐぅの音も出ない完敗であった。
周辺のボートを見る限り、誰一人小バスすら釣れてる気配は無かったので、
きっと、そういう日だったのだろう。
春先の急激な水温低下という、
いかにもありがちな最悪コンディションだったので、
恐らく全国的にそういう日だったんじゃないだろうか?
そう思いたい・・


3月12日  日吉ダム  11:30〜16:30



日吉ダムは、コンクリートプラントへ通じるスロープを、
見慣れない、ピカピカの赤黒ゴンボが進み降りる・・。
傷一つ無い船体には、新品のバウデッキが設けられ、
船側には二つのロッドホルダーまで装備されている。
これまでukiten釣行記といえば、ボロボロの黄色いゴンボが代名詞だったのに、
この突然のブルジョアぶりはどうしたものか?


そう!先日来より画像BBSでお伝えしていた、
S氏、渾身の新艇ゴンボ、「ポパイのBEE-X(総額30万也)」が、
この度、めでたくデビューとなったのだ!
以下、コンプラでの出船の様子。。







「ふむふむ、ここがそうなって、あそこがこうきて・・」
「となると、これがああなって、こっちはそうして・・」
おぼつかない手つきで、恐る恐るパーツを組んでゆくS氏。
思えばゴンボ暦だけは異常に長い我々だが、
以外にもゴンボをフット化するのは、これが初めて。
見慣れない仕様に戸惑いながらも、
店員に教わったやり方を思い出し、ボートをセットアップしてゆく。






「ほぉ〜、これがフットエレキというものか!」
「このペダルを足で踏んだら、ペラの向きが変わるんやね」
「で、モータの先っちょに付いてるのが、魚探の振動子で・・」
「これを丸ごとマウントにはめ込むと・・」







「船尾に取り付けるのは、このスタビライザーで・・」
「これにより直進性と安定性を上げるのか・・」
「で、エンジンを付ける時にもこのブラケットを使うわけね」
「上手い具合に考えてあるな〜」





「そしてこっちの船底についてるのが、ウェーブキール・・」
「最初から糊付けしてあるのが良いね」
「素材も割れたりしなさそうだし、底ずれ防止にもなりそう」
「キールとスタビのダブル装備やし、これでもう風にも無敵かな?」





「お、船底にもこんな空気口があった!」
「ここに空気を送り込んだら、エアーフロアになるわけか」
「昔はフロアといえば、木の底板を入れるのが普通やったのに、
最近のは、こんなやり方になってるんやね、
それにしても、このエアーフロアって、空気入れたら恐ろしくカチカチ!
まるで硬質ゴムみたい!」



最新機能満載の新艇に、いちいち感嘆の声をあげながら、
嬉々としてゴンボを弄る三十路男達。
長大なスロープを運び終えるのに、それぞれ3往復を用したあげく、
装備の装着にも大いに手間取ったので、
すべての出船準備が整った頃には、もうお昼となってしまったが、
それでも揚々と、まずはS氏からボートへと乗り込む。







「お〜いS氏、新艇の塩梅はどんなもんや〜!」
「ちょっとこっちに向かって走ってみてー」
「そうそう、そこでクルっとターンして・・・・ うわ!結構はや!」



向かってくる新艇の意外な速さに思わず驚く私。
今回、新しく46ポンドパワーのフットを導入したのだが、
さすがに、ゴンボに46ポンドはオーバーパワーだったらしく、
ボートの後ろには大げさな引き波まで立っている。
日吉以外の琵琶湖やレザボアだと、
更に、これに2馬力エンジンも加わる訳だが、
こうなると、もうその機動力はジョンボ並。
これまで釣れない責任を、よくゴンボに転嫁したものだったが、
これでもうその手も使えなくなるな・・と、いらぬ心配・・








と、そんなこんなでS氏の試乗も終わり、
続けて私も乗り込んだら、いよいよ実釣開始。
本来ならば、いつもの小倉谷より出船し、
好調といわれる最上流一帯をやるつもりだったのだが、
この日は小倉谷への道が工事による通行止めだったので、
やむなく下流はコンプラよりの出船。
ゴンボは新しくなったものの、未だ肝心のバッテリーは半死状態のままなので、
上流まで行く事はならず、下流周辺をやってみる。。







「あ〜、気持ちい〜、これこれ、これがやりたかったんよ!」
後部席の私は、操船練習がてら、
岸沿いをゆっくりながしてゆくS氏に合わせ、
ラバジのピッチングをしてみるのだが、これが最高に気持ちいい。
こんな釣りは、これまでの手漕ぎやハンドでは絶対叶わなかった。



これまでといえば、まず岸沿いにボートを係留出来る場所ありきで、
その場所を見つけては、おもむろにボートを寄せ、
ロープで係留し、そして沖に向かって放るのだ。
自然、キャストポイントは限られるし、ポイント移動はおっくうだし、
すぐに根がかるし、いつも途中でグズグズになってしまっていた。
ところがこのフットゴンボはどうだ!
波風でボートが回転することも無いし、
沖の一点でステイできるし、
立っての釣りもし易いし、
次々と新しいポイントも狙ってゆけるし、
巻物引いてもボートが引っ張られないし、etc..



こんな事は一般のアルミバサーやバスボマンには
何をいまさら・・ なんだろうが、
ワタシ的には「目からうろこ」。 かる〜いカルチャーショックである。
今見たく、シャローで大きいのが釣れている時には、
どれだけ多くのカバーを撃って行けるかという事も、
釣果に大きく影響してくるだろうし、
そういった点では、一気に釣りの可能性が広がった感じ。
これまでの釣りが、いかに非効率だったかにも気づくのだ。



この楽しさを知ってしまっては、もう他の釣り方をする気にはなれない。
残された時間も少なく、また、フットにも慣れる必要があるので、
今日のところは、このままエレキが尽きるまで、
この釣り方を通してみよう!




「スー・・   ストン、   トントン・・  カリカリカリ・・」
「スー・・   ストン、   トントン・・  カリカリカリ・・」


微速前進するボートに合わせ、ブッシュにラバジを落としては、
トントンと斜面を駆けおろし、そしてピックアップ。
昨日までのポカポカ陽気とはうって変わって、
今日は真冬のような寒さなので、(いっつもこう・・)
魚はもっと深場へ落ちてるのかもしれないが、
初めて味わう岸打ちの魅力に抗えるはずもなく、
サルのようにしつこく、


「スー・・   ストン、   トントン・・  カリカリカリ・・」
「スー・・   ストン、   トントン・・  カリカリカリ・・」



これだけ次々にテンポよく撃っていけるとなると、
いつかどこかでデカイ奴にぶち当たるという気がして、
いくらやっても止められない。


「スー・・   ストン、   トントン・・  カリカリカリ・・」
「スー・・   ストン、   トントン・・  カリカリカリ・・」


お昼を過ぎた頃から風は強まり、空は曇り、
雪に変わろうかというような冷たい雨も降るのだが、
やっぱり岸際ピッチングが止められない。





その後、夢の架け橋まで流した頃、バッテリー残量が気になりだし、
またコンプラへと引き返し、
今度は世木林ワンド内へと進入すのだが、そこでもまた、


「スー・・   ストン、   トントン・・  カリカリカリ・・」
「スー・・   ストン、   トントン・・  カリカリカリ・・」


そして数時間後、ついに同ワンド奥まで流したところで、
タイムアップの時間となり、この日の釣りはこれにて終了となるのだが、
半日、にわかピッチングマシーンと化した、その結末はというと・・








・・・残念・・ また今回も坊主に終わってしまった・・
数撃ちゃ当たるかも?的シャロー撃ちをしてはみたが、
やはりそれなりのポイントが絞れてないと駄目という事なのだろう。
あるいは魚が沈んでいたのかもしれない。
しかし完全坊主という内容とは裏腹に、
これからこの新艇の機動力をもってすれば、
きっとそのうち必ず良い事もあるだろう・・・
と、そんな気にさせる、今回の釣行であった。。